リャマくんの挫折

オーディションの結果はまさかの不合格でした！




リャマくんは、今まで多くの人に称賛されてきた自分が、オーディションで落選したことに大きなショックを受けていました。彼の心は沈み、もう演奏なんてやめてしまいたいとさえ思っていました。そんな時、ひろくんがそっと彼の隣に座り、言いました。

「リャマくん、知ってる？フォルクローレは、ただの音楽じゃないんだ。僕たちの生活には、楽しいこともあれば、悲しいこともある。成功もあれば、失敗もある。それらすべてを表現するのがフォルクローレなんだ。」

ひろくんは続けます。「実は、僕のお父さんも若い頃に大きな失敗をしたことがあるんだ。夢見ていた大きなコンサートで、思うように演奏できなくてね。でも、お父さんはその経験をフォルクローレの歌にした。失敗や悔しさ、そこから立ち直るまでの道のりを全部、音楽に込めたんだ。」

「その歌は村の人々に大きな勇気を与えた。お父さんの歌には、本当の感情が詰まっていたからね。だから、リャマくんもこの経験を大事にして、音楽にしてみたらどうかな。きっと、リャマくんの音楽が誰かの心を支え、力になる日が来ると思うんだ。」

ひろくんの言葉を聞いて、リャマくんは涙を流しながらうなずきました。自分の失敗が、新しい始まりの一歩になることを理解し、また演奏を続ける勇気を取り戻しました。そして、フォルクローレが持つ本当の力を知り、自分もまたその一部になれることを心から感じたのです。





つづく



フォルクローレおすすめの一曲
YouTubeより
https://youtu.be/HddEnzdOHjk?si=Gu3kMv_cSAm4V7Jf