第2話、コロンビアの農園

第2話、コロンビアの農園

第2話、コロンビアの農園


あらすじ: 長年の夢だった南米のコーヒー農園巡りを始めた美咲。最初の目的地はコロンビアのコーヒー三角地帯にある、家族経営のマルティネス農園。そこで毎日しばらく住み込みながら、コーヒー栽培の基礎から深く学ぶことになる。

成田空港を発ち、長時間のフライトを経て美咲はコロンビアに到着した。コロンビア特有の澄んだ青空と、山々に囲まれた緑豊かな風景が目の前に広がる。空気は爽やかで、心が躍るような感覚を覚えた。

美咲はコーヒー農園が集まる「コーヒー三角地帯」へと向かうため、バスに乗り込む。道中、車窓から見える美しい丘陵地帯には、コーヒーの木々がびっしりと生い茂っている。初めて目の当たりにするコーヒーの産地に、彼女の胸は期待でいっぱいだった。

バスに揺られて数時間、美咲は目的地のマルティネス農園に到着する。ここは、何世代にもわたりコーヒー栽培を営んできた家族経営の農園だ。農園主のカルロスと彼の妻マリア、そしてその子どもたちが明るく出迎えてくれた。カルロス一家はとても親しみやすく、温かい笑顔が印象的だった。

「しばらくここに住み込んで、コーヒーのことをじっくり学んでいってくださいね」とマリアが優しく声をかけてくれる。

マルティネス農園は、伝統と自然を大切にする農園として知られている。標高の高い場所に位置し、涼しい気候がコーヒー豆の成長に最適な環境を提供している。農園では、コロンビアならではのアラビカ種のコーヒー豆が栽培されており、豆には果実のような酸味と甘みが特徴だ。

カルロスは、農園を案内しながらコーヒーの木々や設備について丁寧に説明してくれた。広大な敷地には、太陽の光をたっぷりと浴びるコーヒーの木が並び、枝には青々とした実が成り始めている。農園の片隅には小さな乾燥棚があり、ここで収穫したコーヒーチェリーを自然の風と太陽で乾燥させるという。

「私たちのコーヒーは、できるだけ自然の力に頼って育てているんです。気候や土壌、手間ひまがそのまま豆の味に表れるんですよ」とカルロスが語る。

その日はマリアが用意してくれた地元料理を囲んで、家族全員と夕食をとった。食事をしながら、家族がコーヒーに注ぐ情熱や、コーヒーがどれだけ家族の生活の一部であり、地域社会の誇りであるかを聞かせてくれた。

「ここでの生活はシンプルだけど、コーヒー作りには奥深い知識と愛情が必要なんだよ。明日からしっかりと学んでいってね」と、カルロスは美咲を励ます。

こうして、コロンビアでの毎日が始まった。美咲はこの農園でしばらく住み込み、農園の家族とともに過ごしながら、コーヒー栽培についてじっくりと学ぶことを決意した。

アンデス浜松
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