アンデス浜松

コンサートまであと3日




今日は静岡県内の小学生バス無料デーということで、街中は親子連れで賑わいを見せていた。私はいつもの日課として、浜松城のあたりをウォーキングしていた。少し肌寒い風が心地よく、秋の散策にはぴったりの朝だった。

秋葉神社への道

浜松城公園を一周したあと、「いつもとは違う場所を歩いてみよう」と思い立ち、秋葉神社のほうへ足を向けてみた。静かで落ち着いた雰囲気の坂を歩いていると、ふと小さな店の前で足が止まった。

「おやつの店 鈍」

そこには「おやつの店 鈍」という名前の、どこか懐かしさを感じるお店があった。目を引いたのは店先に貼られた大きなポスター――なんと「3人アンデス」のコンサート告知だった。驚きのあまり、思わず中に入った。

3人アンデスとボリビアのつながり

店内はアットホームな雰囲気で、優しそうなおじさんが笑顔でお好み焼きを焼いていた。私はポスターのことを指さしながら尋ねた。「このコンサートのポスター、すごく素敵ですね。お店に貼ってあるなんて、何かご縁があるんですか？」

おじさんは少し照れくさそうに笑いながら答えてくれた。「実はね、うちの息子がボリビアで音楽活動をしていてね。この秋元さんと桑原くんと同じバンドで演奏してたんだよ。ボリビア国内を一緒にツアーしてたんだ。」

その瞬間、私はメールで美咲から教えてもらった渡辺さんのことを思い出した。「もしかして、その息子さんって渡辺さんですか？」と尋ねると、おじさんは驚いた顔をしながら「そうだよ！知ってるのかい？」と言った。

渡辺さんと秋元さんの絆

美咲が3人アンデスのファンであることを話し、渡辺さんについて聞いていたことを伝えると、おじさんはとても嬉しそうに、息子さんのボリビアでの経験や秋元さんとの交流について語ってくれた。「ボリビアの人たちは本当に音楽が好きでね。息子も向こうでの生活をすごく楽しんでたみたいだ。」

お好み焼きと浜松城公園

話に花を咲かせたあと、おじさんが焼いてくれたお好み焼きをテイクアウトすることにした。丁寧に包んで渡してくれるその手つきに、なんだか心が温かくなった。

浜松城公園に戻り、ベンチに座ってそのお好み焼きを頬張ると、ふわふわの生地と甘辛いソースの香りが広がり、とても美味しかった。「こんな偶然があるなんて…」と思いながら、ますますコンサートが待ち遠しくなった。

コンサートが繋ぐ縁

渡辺さんと秋元さん、そして3人アンデスの音楽がもたらした縁を思うと、ただのコンサートではなく、もっと特別なものに感じられた。浜松城の木々が風にそよぐ音を聞きながら、私は心からこの日を楽しんだ。

「コンサートまであと3日。きっと最高の時間になる。」そう確信しながら、私は家路についた。

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