アンデス浜松

南米のコーヒーの旅 - 挽き方が生む新たな発見




あらすじ： コロンビアのカフェで地元のコーヒー文化に触れ、コーヒーの多様な表情に感動した美咲。次の学びは「豆の挽き方」。カルロスが教える挽き具合による味の違いを体験し、日本での経験との違いに驚きながら新たな視点を得る。

翌朝、焙煎小屋でメモを整理している美咲に、カルロスが「今日は豆の挽き方をじっくり学んでみようか」と声をかけてきた。美咲は思わず「ぜひお願いします！」と返事をしながら、どんな発見が待っているのか期待に胸を膨らませた。

カルロスがテーブルに用意したのは、粗挽き、中挽き、細挽きのコーヒー粉。美咲にとって、コーヒーの抽出には日本で慣れ親しんできた方法や経験があったが、ここコロンビアでの挽き方と味わいの違いにはすでに興味が尽きない。

「挽き具合一つで、味がこれだけ変わるんだ。粗挽きだとクリアで、細挽きだと濃厚さが引き立つ」とカルロスが説明すると、美咲はメモを取りながら日本での自分の経験と重ね合わせてみた。もちろん、日本でも挽き具合は調整していたが、ここでの味わいの変化は、自分が思っていた以上にくっきりとしているように感じた。

まず、粗挽きのコーヒーを一口飲んだ美咲は、そのすっきりとした味わいに驚いた。「まるで、日本のお茶のようなクリアな味わいですね」とつぶやく。コーヒー特有の深みを保ちながらも、透明感のある口当たりが新鮮だった。

次に、中挽きのコーヒーを口にすると、日本でよく提供していた「バランスの取れた一杯」を思わせるまろやかさが感じられた。「これ、私が普段カフェで淹れている味わいに近いです。でも、豆の個性がもっと際立ってますね」とカルロスに話しかけると、彼はうれしそうにうなずいた。

最後に、細挽きの豆で淹れたコーヒーを味わった瞬間、美咲はその濃厚で重みのある味わいに思わず驚きの声を漏らした。「細挽きにするとこんなに力強くて、濃厚なコーヒーになるんですね…まるで新しいコーヒーの世界が目の前に開けたような気持ちだった。

カルロスが微笑みながら、「コーヒーは土地ごとに求められる味が違うんだよ。コロンビアでは、濃厚でしっかりとした味わいが好まれるから、細挽きの濃厚なコーヒーが日常的なんだ」と説明してくれた。美咲はその言葉を聞きながら、日本とコロンビアの文化の違いを実感した。

その日の夜、美咲はノートに「日本とコロンビアの味覚の違い」「土地に合わせた挽き方と味の違い」をまとめ、コーヒーがその土地の文化や人々の好みに合わせて変わっていくことの面白さに心を動かされた。

「その国ごとの暮らしがコーヒーに反映されているんだな」と、改めてコーヒーに対する新しい視点を得た美咲は、南米での経験を通じて、ますますバリスタとしての成長を実感していた。

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